週刊瞬間

毎週水曜日19時更新

5時から習い事なら4時50分には家を出る

友達と遊ぶ約束をしたのだけれど、いろいろあっていくのをやめた。

私以外の二人で出かけるらしい。

二人には会いたいし、バスの時間も共有した後だったので、その時間に行って

「いってらっしゃ~い」

ってしようと思った。ついでだし、おみやげなんかも渡しちゃおう。二人とも私が来ると思ってないから驚くぞ~!ワクワク!

 

朝、バスの時間に合わせて家を出た。

午後から雨予報で、二人は帰りの事も考えて電車→バスと乗り継ぐのだが、私は2キロほど離れたバス停まで自転車で行く。

午後から雨が降るとは思えないほど快晴だったので、日焼け止めをしっかり塗っていたら家を出る時間を少し過ぎたので、急いで出かけた。

9時39分にバスが出発するのに、なぜか私は9時39分ぴったりにバス停に到着するように家を出た。

今考えたらバカ。

自粛期間で脳がバグってたんだと思う。

もちろん間に合わなくて、バス停の前の信号で、バスが出発するのを遠くに見送った。

 

私は昔から約束をせず友達に会いに行って、驚かせるのが好きだ。

ちょっとでも友達に会えたら嬉しい。

小学3年生の時、習い事をたくさんしている人と友達だった。

火・水・木・金曜日の5時からは習い事なので、いつも遊べない。

友達も残念がっていたので、大急ぎで宿題を終わらせて、5時に友達の家に行った。

友達の驚く顔と、友達が習い事に行くのを見送ることを想像して、すごくワクワクしていた。

チャイムを鳴らすと、おばあちゃんが出迎えてくれた。

「○○ちゃんねぇ。習い事よ。」

知っている。

そこではじめて、5時からの習い事なら5時より前に家を出ると知ったのである。

 

帰り道、汗だくで自転車を漕ぎながら、私は昔から待ち合わせが下手なくせに独特な待ち合わせにチャレンジしていることに想いを馳せていた。

自粛期間で脳がバグったわけじゃない。自粛期間のせいにしてごめん。

 

一度家に帰り、友達にLINEをした。帰りの時間を聴き、「おみやげを渡したい。」と、会いに行く旨をきちんと伝える。

こうしておけば、必ず会える。

きちんと友達が帰ってくる時間の少し前に待ち合わせ場所に行った。

朝バス停に行ったけど間に合わなかったことは言わない。

粋じゃないし、恥ずかしいから。

 

友達が私を見るなり開口一番

「朝、自転車でどこ行っとたん?」

ばっちり見られていた。