週刊瞬間

毎週水曜日19時更新

日常に洗脳されている

実家から下宿に戻る時、両親が車で送ってくれる。

今回は地元の友達がわざわざ実家まで見送りに来てくれた。

いつも通りふざけ、笑いあったところで出発。

友達も車に乗せて、ついでに家まで送る。

運転は父、助手席に母、後部座席に私と友達。

10年以上の仲で何度も実家に遊びに来ている友達なので、車内はいたって和やか。

両親も、美しく成長して今はOLとして社会で活躍する友達を褒めたたえたりなんかしている。友達も照れたりなんかしている。

その時、父が急ブレーキを踏む。

父・母『『にゃんこ先生!!』』

猫が飛び出してきたのだ。

友達『えっ。どこ?誰?』

父『ほらほらそこそこ』

友達『えっ?何が?!どこ?!』

我が家では猫のことを「にゃんこ先生」と呼ぶのが日常である。

他所の家では猫のことを「猫」と呼ぶのが日常である。

私『我が家では猫のことを「にゃんこ先生」っていうのよ。』

友達『びっくりした~先生がどっかに居ると思って、探した~』

「にゃんこ」の部分、全無視

 

久しぶりにチャンモエとカドヤと出かけた。

駅前まで行っておしゃれなカフェでランチを食べようということになった。

私とカドヤは焼カレー、チャンモエはチキンカツカレーを食べた。

「喫茶店のカレーって食べる直前まで辛い事忘れてるよね。」

って話で盛り上がった。

食べ終わってお冷のおかわりで口を冷ます。

それぞれ携帯を見ている。

当然のようにチャンモエが

「ぽーぽぽぽぽーぽぽぽーぽぽぽーぽー♪」

と謎の歌を小さく歌い始める。

当然のようにカドヤが踊り始める。

当然のように私は見ている。

ちょっと待て何だこれ。

駅前まで来ておしゃれなカフェに入った意味なくない?

普段うちに泊まりに来た時と変わらなくない?

というか、うちに来た時も歌って踊ってるっておかしくない?

私たちは2月以降対面で会っていなかった。

それまでほぼ毎日会っていたのに学校で授業がないので約5か月間会っていなかった。

それまでの歌って踊る日常がおかしなことに約5か月ぶりに会えたから気付けた。

それまでの日常がおかしなことに気付いた、新しい日常が始まっている。